MPTの家庭用光回線「ドームピャン(ロケット)」が189タウンシップに拡大:発表の料金表が触れていないこと

ミャンマー郵電公社(MPT)は、使い放題の家庭用光インターネット「ドームピャン」(ビルマ語で「ロケット」の意。英語ではRocketとも表記される)を、ヤンゴン地域のHtaukkyantに拡大したと発表した。2026年10月16日付のMPT広報部(Corporate Communication)によるビルマ語のプレスリリースが同日、当編集部の受信箱に届いており、それによるとサービスの提供エリアは189タウンシップになったという。MPTは自社を「ミャンマー初にして最大手の通信事業者」と称し、拡大は顧客の変わらぬ信頼と支持のおかげだとしている。これらはMPT自身の言葉であり、そのまま同社の主張として伝える。

リリースを転載するつもりはない。ここでは、当編集部のアーカイブと、2026年10月19日に確認したMPT公式のドームピャンのページをもとに、次の3点を補足する。公表されているタウンシップ数がどのくらいのペースで増えてきたか、見出しの料金が公式の定価とどう違うか、そしてHtaukkyant周辺の世帯が申し込む前に何を確認すべきかである。

MPTが実際に発表した内容

リリースの主張は4点ある。1点目は、Htaukkyantが提供エリアに加わり、MPTの数字が189タウンシップになったこと。2点目は、開始記念の特典として初期工事費が無料になること。3点目は、前払いをした顧客にはプランと前払い期間に応じて6,000 Ks以上、最大250,000 Ksの割引があること。4点目は、加入者にモバイルの特典として最大3GBのデータ通信、MPT同士の通話最大200分、MPT番号宛てSMSの使い放題が付くことである。

リリースには5つのプランの料金表が載っており、価格はいずれも「から」(最安値)の表記になっている。ただし、どの前払い期間でその価格になるのかはリリースに書かれていない。これが重要な点であることは、以下で見ていく。申し込み先として、MPTはドームピャンのページ、MPTショップ、正規代理店を案内している。ほかに電子請求書のポータル、*2800#と18652800のホットライン、106番のコールセンターも記載されている。

公表されているタウンシップ数は、どれくらいのペースで増えているのか

当編集部はこれまでにMPTの数字を3回報じているので、189を時系列の中に置くことができる。自社アーカイブからは次のとおり。

  • 2024年2月:154タウンシップ。Zalun、Wuntho、Dala、Mongton、Pindayaなどが加わった後の数字。
  • 2024年7月:175タウンシップ。5月から7月にかけて、エヤワディ、バゴー西部、ヤンゴン、シャン南部で15が追加された後の数字。
  • 2024年8月:183タウンシップ。8つの新規追加後の数字。
  • 2026年10月:今回のリリースによる189タウンシップ。

これらの数字を見ると、2024年2月から8月までの半年で29増えたのに対し、最後に報じた数字からおよそ26か月の間には、差し引き6しか増えていない。一見すると、ペースが急に落ちたように見える。ただし、慎重に読む必要がある。MPTが当編集部の取り上げなかった途中経過の拡大を発表していた可能性はあり、当編集部はそれを確認していない。展開が止まったとは言えないし、言うつもりもない。言えるのは、当編集部のアーカイブに残る範囲では、公表されている数字が6増えたということだけである。

背景として思い出しておきたいことがある。2025年6月、当編集部は、MPTが銅線網からFTTHへの移行を7つの州・管区(ヤンゴン、バゴー東部、マグウェ、マンダレー、タニンダーリー、モン、シャン南部)で完了したと発表したことを報じた。MPTによれば、FTTHの展開は2016年に始まり、2022年8月から加速したという。ここ数年、既存の銅線を光に切り替える作業に力を注いできた会社は、毎月のように新しい町を加えていく会社とは成長の姿が違う。公表される数字の伸びが鈍く見えるのは、そのせいもあるのかもしれない。これは当編集部の見方であり、MPTがそう述べているわけではない。

「から」表示の料金は定価ではなく割引後の価格

リリースの料金表で最も役に立つのは、MPTのドームピャンのページに載っている公式料金と並べてみることだ。同ページには、等級ごとの使い放題プランの月額が載っている。両者を並べると次のようになる。

速度(最大) 公式の定価 リリースの「から」価格 差額 モバイル特典(公式ページ)
15 Mbps(Class D-1) 32,000 Ks 28,000 Ks -4,000 Ks(12.5%) 500MB、50分、MPT番号は最大2つ
22 Mbps(Class D) 40,000 Ks 33,000 Ks -7,000 Ks(17.5%) 1GB、100分、最大3番号
30 Mbps(Class C) 54,000 Ks 45,000 Ks -9,000 Ks(約16.7%) 1GB、100分、最大5番号
60 Mbps(Class B) 100,000 Ks 85,000 Ks -15,000 Ks(15%) 2GB、100分、最大5番号
110 Mbps(Class A) 135,000 Ks 114,000 Ks -21,000 Ks(約15.6%) 3GB、200分、最大5番号

差額はMPTの2つの資料をもとにした当編集部の計算である。「から」価格は、定価より12.5%から17.5%安い。どの前払い期間でそれぞれの割引価格になるのかはリリースに書かれていないため、月払いの世帯が低い方の価格で契約できると思い込むべきではない。他社と比較するときは、前払いする覚悟がない限り、定価を基準にするのがよい。当編集部が9月に報じたMyanmar Net(Frontiir)のCANAL+セット料金の10月1日からの値上げは、同社で今年3回目の料金・手数料の変更だった。この市場では家庭用ブロードバンドの料金がたびたび動く。見積もりの価値は、その条件次第ということだ。

細かな食い違いがひとつある。リリースの表では、60 Mbpsと110 Mbpsのプランについて利用できる番号数が空欄だが、公式ページではどちらも5番号までとされている。

割引の上限が200,000 Ksから250,000 Ksに

154、175、183タウンシップの節目を伝えた2024年の記事では、MPTの前払い割引は3か月・6か月・12か月の前払いで「最大」200,000 Ksだった。今回のリリースでは、この上限が250,000 Ksに引き上げられている。一方、モバイル特典の上限は2024年8月から変わっていない。データ通信は最大3GB、MPT同士の通話は200分、MPT宛てSMSは使い放題である。

「最大」という表現には注意が必要だ。上限は最良のケースであり、おそらく上位プランを長期間前払いした場合に当てはまる。リリースが下限として示しているのは6,000 Ksである。どのプランとどの期間で250,000 Ksになるのかはリリースからは分からず、2024年当時の定価も当編集部は確認できていない。そのため、一般的な顧客にとって実質的な割引が良くなったのかどうかについては、何も断言しない。

MPTの数える「タウンシップ」とは何か

189という数字はMPT独自の単位によるもので、第三者による測定ではない。ミャンマーのタウンシップは一般に約330とされているため、189なら国の半分を大きく超えて網羅しているように読めるかもしれない。しかし、MPTのページにある提供エリアの一覧を見ると、そうとも言い切れない。Taikkyi-Okkan、Pathein-Ngwesaung、Mogok-Kyatpyin、Nyaung-U-Bagan Myothit、Mingaladon-Htaukkyantのように、複数の地域をハイフンでつないだ項目がいくつもある。このことから、MPTが数えているのは公式の行政上のタウンシップそのものではなく、サービスエリアだと考えられる。これは当編集部の観察であり、リリースにMPTによる単位の定義は示されていない。

そうなると、今回のHtaukkyantが本当の意味での新規エリアなのかも、はっきりしない。公式ページのヤンゴンの一覧には、すでに「Mingaladon-Htaukkyant」が含まれているからだ。定義がない以上、この発表はサービスがHtaukkyantに届き、189に数えられた、と読むのが最も無難である。住民にとって大事なのは、自分の住む通りまで光ファイバーが来ているかどうかだけで、それはMPTに直接確認するしかない。

提供エリアの一覧が手薄な地域

公式ページは提供エリアを15の州・管区に分けて載せている。ヤンゴン、マンダレー、ザガイン、タニンダーリー、シャン、バゴー、ネピドー、マグウェ、カイン、モン、エヤワディ、カチン、ラカイン、カヤー、チンである。ただし偏りは大きい。カヤーはLoikawのみ、チンはHakhaのみ、ラカインはSittwe、Kyaukphyu、Thandweだけが載っている。これらの地域でサービスがうまく動いている、あるいは動いていないと主張するつもりはない。指摘したいのは、載っているのがこれだけだという点と、一覧がわずかな町にとどまる地域については、全国の見出しの数字からは何も分からないという点である。

Htaukkyant周辺の世帯向けチェックリスト

  1. 両方の料金を聞く。定価と割引後の価格を書面でもらい、割引にはどの前払い期間が必要かを尋ねる。
  2. エリアではなく通りまで確認する。サービスエリアは一覧に載っている地名にすぎない。自分の建物に引き込めるかどうかは別の問題である。
  3. 前払いの縛りを理解する。大きな割引は、たいてい数か月分の先払いが前提になる。引っ越した場合やサービスの質が悪い場合にどうなるかを聞いておく。
  4. モバイル特典を確かめる。付属のデータ通信と通話はMPT番号向けで、プランごとに上限がある。家族がすでにMPTのSIMを使っていなければ、あまり価値はない。
  5. 固定電話やVoIPについて聞く。2025年にMPTは、FTTH網から遠い家ではVoIPが使えない場合があると述べた。固定の番号に頼っている人は確認しておきたい。
  6. 無料の初期工事が自分の住所に適用されるか、開始記念の特典がいつまでかを確認する。リリースには終了日が書かれていない。

よくある質問

MPTのロケット光回線とドームピャンは同じものですか。
同じものだ。ドームピャン(ဒုံးပျံ)はビルマ語で「ロケット」を意味し、MPTのページではドームピャンの名称で掲載されている。当編集部のこれまでの報道でも、同じ使い放題の家庭用光サービスを両方の名前で呼んできた。

MPTの家庭用光回線は、現在いくつのタウンシップで使えますか。
MPTによれば189で、ヤンゴン地域のHtaukkyantを含む。これはMPT独自の数え方であり、単位にはハイフンでつないだ地域も含まれるため、公式のタウンシップ総数とは単純に比べられない。

MPTの家庭用光回線の料金はいくらですか。
MPTのページに載っている公式の月額定価は、32,000 Ks(最大15 Mbps)から135,000 Ks(最大110 Mbps)までである。リリースでは、前払いの顧客向けにそれより安い28,000 Ksから114,000 Ksの「から」価格を打ち出している。

初期工事は無料ですか。
MPTは、開始記念の特典として初期工事費を免除するとしている。頼りにする前に、終了日と自分の住所が対象かを確認してほしい。

申し込み方法は。
MPTのドームピャンのページ、MPTショップ、正規代理店から申し込める。リリースには、106番のコールセンターと、ホットラインの*2800#および18652800も記載されている。

まとめ

Htaukkyant周辺でMPTの固定ブロードバンドを使いたい世帯にとっては、朗報だろう。ただ、より大事なのは、この種の発表をどう読むかである。189はMPT独自の数え方であり、公表されている数字は2024年8月の前回報道から6増えただけ。見出しの料金は定価より12.5%から17.5%安い割引後の数字で、割引の上限は200,000 Ksから250,000 Ksに上がったが、誰が対象になるのかはリリースで説明されていない。見出しよりも条件を読み、両方の料金を書面で確認してほしい。


出典:MPT広報部(Corporate Communication)のプレスリリース(メールで受領、2026年10月16日付、ビルマ語)。MPT、ドームピャンのページ、2026年10月19日閲覧(ページのメタデータ上の更新日は2026年10月2日)。Myanmar Tech Press:154タウンシップ(2024年2月6日)、175タウンシップ(2024年7月22日)、183タウンシップ(2024年8月19日)、銅線からFTTHへの移行(2025年6月23日)、Myanmar NetのCANAL+値上げ(2026年9月23日)。